アトピー性皮膚炎の治療に朗報  京都大学

2013.09.19


京大の研究者が、アトピー性皮膚炎の治療法を見つけました。

京都大学のホームページから抜粋 (一部、新聞報道から補充)
http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news_data/h/h1/news6/2013/130918_2.htm







皮膚バリア機能を高めることで
アトピー性皮膚炎の症状を改善させる内服化合物を発見


アトピー性皮膚炎ではバリア機能が低下することで異物に対する免疫応答が過剰に誘導され症状が悪化する可能性があります。

椛島健治 医学研究科准教授、大塚篤司 チューリッヒ大学病院皮膚科研究員(当時京都大学)はこのバリア機能を保つ上で重要な働きを担うフィラグリン蛋白の発現を促進し、アトピー性皮膚炎の症状を改善させる化合物を世界で初めて発見しました。



左から椛島准教授、
大塚チューリッヒ大学病院研究員





アトピー性皮膚炎の患者さんのほぼすべての方でフィラグリン蛋白が低下していることが知られています。







アトピー性皮膚炎の動物モデルを用いた実験では、JTC801を内服させたマウス群で皮膚のフィラグリン蛋白が発現亢進しており、このことでアトピー性皮膚炎様の症状が改善することがわかりました。



人工の有機化合物「JTC801」を与えたマウス(右)と与えなかったマウス。
右のマウスはアトピー性皮膚炎の症状が改善した
(京都大の椛島健治准教授提供)



今回の研究をで、フィラグリンの発現をあげることで、アトピー性皮膚炎を改善させうることを世界で初めて証明しました。


今回の研究成果に基づき、今後フィラグリンをターゲットとした新たな治療薬となる可能性があり、10年後をめどに実用化を目指します。




吉岡 評

従来の小児科の主張は、アトピー性皮膚炎はアレルギー疾患であり、アレルギー反応を抑制することが治療である、というものでした。現在でもそうです。(皮膚科の主張はメチャクチャで、「何でもいいからステロイドを塗っておけ」というだけです)

それに対して私は、アトピーはアレルギーではなく、皮膚のバリアーが壊れて異物が侵入することで起きる皮膚疾患であり、侵入した異物や薬害によって、結果としてアレルギーが起きてくると、15年も前から主張しています。

吉岡英介著「アトピー解決篇」(1999年刊)より
http://homepage1.nifty.com/eskey/atp5.htm


6−2 アトピー性皮ふ炎の構造

現代日本で「アトピー性皮ふ炎」と呼ばれている皮ふ炎の構造は、右図のような「雪だるま」で表すと理解しやすいでしょう。

(1)まず、現代日本の全体状況として、食品添加物、残留農薬、化学物質の氾濫、および、農地のミネラル分の流出、などの土壌があります。アトピー性皮ふ炎という「雪だるま」は、そのグラウンドの上に作られます。

(2)雪だるまの胴体は、乳幼児の場合は、水道水の塩素や合成洗剤などの外因と、ミネラル不足、脂肪酸の偏り、母胎のステロイドなどの内因とで作り上げられます。成人の場合は、さらにさまざまな化学物質、および自分自身の幼児期のステロイド使用歴が、胴体部分を構成します。


(3)このようにして発生した皮ふ炎に、医者によってステロイドが乗せられて、雪だるまの頭部となります。気軽に処方される抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤などの薬剤も、アトピー性皮ふ炎の頭部を構成する要素となっています。

(4)その頭に「黄色ブドウ球菌」の帽子をかぶせて、雪だるまは完成です。アトピー性皮ふ炎の人の皮ふは、損傷していますから、黄色ブドウ球菌を始めとするさまざまな細菌が繁殖します。それがさらに炎症を悪化させ、痒みを増します。細菌感染は、アトピー性皮ふ炎の構造の一部を形成しているのです

アレルギーはアトピーの影
(5)出来上がった雪だるまは地上に影を落とします。その影は、照れば現れ曇れば消える、変幻きわまりないもので、またの名を「アレルギー」と言います。昔から、影と戦って勝ったためしはありません。アレルギーとの戦いがエンドレスになるのは、それがアトピー性皮ふ炎の「影」だからです。





今回、京大のチームが、正しい因果の観点に立って、治療のターゲットを皮膚の奥深くの「免疫」ではなく、皮膚の表層のバリアーに変えて(上図)、皮膚のバリアー機能の修復こそがアトピー治療の本質であること(まったく当たり前のことですが)を、ほぼ証明してくれたわけで、喜ばしいことです。

テレビでのインタビューで椛島氏は「90%の人に効く。副作用はない」と言っていました。

この JTC801 なる物質を含有した栄養食品をさっさと作れば、アトピーで困っている人には大きな福音となるでしょう。(10年もかけて医薬品にしようとしているのがちょっと??です)



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